令和元年度 第1回ビジネスマッチング交流会のご報告

令和元年度 第1回ビジネスマッチング交流

●基調講演

「作業療法士の紹介・福祉用具のニーズについて」

講師:(公社)静岡県作業療法士会 前会長(現監事)

JA静岡厚生連遠州病院リハビリテーション科 技師長 秋山恭延 氏

「リハビリテーション」とは、「本来あるべき状態への回復」を意味する。リハビリテーション関連職種には、医師の他、看護師、保健師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、義肢装具士、社会福祉士、臨調心理士、職能訓練士、介護福祉士などがあり、そのうち理学療法士、作業療法士、言語聴覚士をリハビリテーション専門3職種と定義している。理学療法士は、英語でフィジカルセラピストであり「PT」と表す。基本的な動作能力の獲得を目指し、歩行などの移動能力を高めることを支援する。また装具の適応診断や関節可動域の改善、筋力の増強を指導する。作業療法士は、オキュペイショナルセラピストであり「OT」と表す。ADL(日常生活動作)やIADL(生活関連動作)を獲得するための訓練指導、その際に使用する自助具の作成を自ら行う。その他、住宅改修や福祉機器導入に対する助言や記憶障害等の高次脳機能障害に対する評価や訓練を行う。言語聴覚士は、スピーチセラピストであり「ST」と表す。失語症や構音障害に対する訓練を行うとともに、摂食嚥下障害に対する評価及び訓練を指導する。

現在、国内には理学療法士約14万人、作業療法士8万人、言語聴覚士は3万人におり、その数は年々増加している。これらの資格は国家資格であり、昨年度の合格率は理学療法士81.4%。作業療法士76.2%、言語聴覚士79.3%となっている。

作業療法とは、国民の健康増進のために医療、保健、福祉、教育、職業などの領域で行われる作業に焦点を当てた治療、指導、援助であり、作業とは対象となる人々にとって目的や価値を持つ生活行為を指す。作業療法は「人は作業を通して健康や幸福になる」という基本理念と学術的根拠に基づいて行われる。作業療法は、心身機能の回復、維持、低下の予防を目的に行う作業(生活行為)練習の他、これらを達成するための環境調整などを行う。

(公社)静岡県作業療法士会は昭和56年に設立され公開講座、研修会の開催、広報誌の発行など、公益、共益の事業を行っている。

福祉機器導入のポイントとしては、ニーズを的確にとらえること、問題点や活用可能な能力を明確にするため対象者や介助者の評価を行うこと、代償手段の検討など解決策を検討することである。福祉機器の導入にはフィッティングが重要。必要な機能である要求条件、能力や制約を考慮した身体条件、環境条件の3つを加味すること。自助具の作成にあたっては、大きさや重量などのデザイン、材質、素材、加工方法など可能な限り最適なものを選択している。自助具作成後は適合判定を行い、訓練の効果測定等フォローアップが重要である。特に、自助具が使われなかった場合、なぜ使われなかったかを明確にする必要がある。

以上の趣旨の講演の他、実際に秋山氏が作成した自助具の紹介があり、質疑応答を行った。

●企業発表

発表者:ケーアイ工業(株) (富士市久沢) 代表取締役 稲葉健次 氏

当社は昭和58年創業、現在、資本金1,000万円、従業員60名で、主に金属製建材、産業機械の各種設計、製作、生ごみ処理機等環境関連機器の製造販売他を行っている。オリジナル商品として金属製でデザイン性に優れた塔婆立て、ジョイント手すり、恐竜や車などをモチーフとしたメタルアートなどを制作販売している。

医療福祉関連では、オーダー手摺や段差解消板、カテーテル用の金属部品の売り上げが好調である。また、環境事業としてオリジナルの生ごみ処理機を開発し、介護施設や食品製造工場などに納入しており、海外への販売実績も上げている。

現在、注力しているのはIoTによる「現場の見える化」である。パナソニックソリューションテクノロジーとの共同開発により、労働管理、製品管理、機械稼働率等を一元管理し、改善点の抽出による生産性向上を図るシステムを完成させた。

昨年12月には福祉用具製造業者他で組織される協同組合ふじのくに福祉用具・住環境技術研究所を設立。今後、福祉用具の共同開発にも力を入れていく予定である。

●ビジネスマッチング交流会(意見交換会)

参加者の自己紹介、名刺交換の後、情報交換を行った。

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