令和2年度 第2回ビジネスマッチング交流会のご報告

●基調講演

「まだ続く新型コロナウイルスに備える ~複合災害から人命と事業を守るリスクへの対応~」

講師:リスクコンサルタント MTRC 代表 髙橋勝 氏

①新型コロナウイルス感染を再考・国内の感染状況は、陽性者数は12万人を超え、死亡者数は2千人に迫るところまで来ている。
・発症者のうち8割は軽症のまま治療、2割は入院治療、0.5割が重篤化するという傾向にある。
・コロナウイルスについてまだ不明な点も多々あり、ワクチンと治療法が確立していないため、引き続き各個人が感染に対して意識していくことが重要。

②新型コロナウイルスBCPの取り組み
・緊急事態宣言下における課題と対応について、マスクや消毒液の確保や従業員のモチベーションの維持など、今まで想定していなかったような対応に迫られた。
・BCP策定の構成イメージとして、正確な情報収集による体制作り、事態の経過に伴う段階的な対策、感染予防と感染発生を想定した対策、業務の優先順位の見直し、経営資源である「人的」「物的」「資金」等の確保などが必要。
・危機レベルによって対応を変えていく必要があり、段階ごとに細かく設定する。
・感染症が発生した際の対応のポイントとして、3密の回避、消毒、マスク等を利用した衛生面の確保、危機管理レベルに応じた対応、安全確保に向けたコントロール等が挙げられる。

③想定される複合災害に伴うリスク
・自然災害は、自然発生的に起こるものであるが、それによる被害などは人的要因によるものが多い。群衆雪崩、交通・通信インフラダウン、避難所・食糧不足による健康悪化、医療マヒ等。
・南海トラフ地震による被害想定、ライフラインの断絶から復旧までにかかる時間の予測で、上下水道1か月程度、電力、固定電話2週間ほどかかる。
・地震による津波の富士市への到達予想は15分、最高到達高は6mと予想されている。
・台風の影響による被害については、大きな河川へ流れ込んでいる支流の氾濫による被害が多くなっている。被害行動が遅れ、被害が拡大する傾向がある。
・避難行動を妨げる要因として、何度も発令された過去の避難(空振り)による経験、バイアスによる行動制限、避難受け入れ先の状況が不安、支援要員の人数や時間的猶予の要因による判断のタイミングの遅れなどが挙げられる。
・被害を拡大させないためにも、避難行動を起こすための基準と訓練が必須である。
・風水害リスクに関する情報収集の方法として、ハザードマップポータルサイト、ナウキャストなどを活用が有効である。

④防災・減災に向けた備え
・事業継続力強化計画認定制度について、認定を受けることで防災・減災設備に対する税制優遇、低利融資の利用、補助金の優先採択等を受けることが出来る。
・コロナ禍での災害への備えとして、在宅勤務を導入できるのか、重要事項の遂行は可能か、代替の確保(事務所拠点、要員、業者等)、業務の変更(優先業務、縮小、プロセス、決済等)などを検討しておく必要がある。また、そのために必要な事項として、3密を回避する事業継続体制、社内レイアウトの安全性、決定権者との意思決定、指揮命令と意思疎通、情報連絡等コミュニケーションやツールの確保、感染予防対策の備蓄品の常備などが必要になってくる。
・レジリエンス認証とは、大規模な自然災害等への備えとして事業継続に関する取り組みを積極的に行う事業者を認定する制度である。平成28年度のスタート以来、既に200社近くの企業が承認を受けている。取得費用は5~10万/社。

以上の趣旨の講演後、交流会参加者からの質疑応答を行った。

●事務局より

感染症対策用具開発プロジェクト試作品開発企業の募集について

・全4回に渡って参加企業による用具開発に向けた会議を実施しました。
・会議の中で出されたアイデアの中から、実際に試作を請け負っていただける企業を富士医交会メンバーの中から募集。
・試作にあたっての事業費の一部を負担する。

 

 

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