平成16年11月25日「あまねガード」完成・全面開通

沼津市の大手町地区第1種市街地再開発事業に先立ち、県土木事務所が行なった県道沼津停車場東沢田線の改良工事で、新しい中央ガードが完成し、25日から全面開通する。歳末商戦を控え、地元商店街などは慢性化した交通渋滞の解消に期待を寄せている。〈企画・制作/静岡新聞社営業局〉

JR沼津駅の西で行われていた「中央ガード」の道路付け替え工事は当初予定より約ーカ月早く完成。完成セレモニーの後、きょう正午過ぎに全面通行が可能になる。県土木事務所では「夜間の工事を周辺住民の皆さんに了承していただき、作業がはかどりました。渋滞緩和や交通事故の抑制に役立って欲しい」と期待を込める。中心市街地の大型商業施設や商店も、歳末商戦に間に合った開通を大いに歓迎している。

駅周辺再開発をにらみ、南北交通の渋滞解消を目的に今年2月から工事が始まり、南進一方通行に規制された。319日からは1カ月間全面通行止めとし、ガードの擁壁と橋脚の撤去を行った。その後再び南進一方通行となっていたが、いよいよ全面通行となる。旧中央ガード南側は、来年夏ごろ着工予定の再開発ビル用地となる。

中央ガードは従来ガード南側入り口部分の道路を西に移し、東海道線をくぐって、駅北の「リコー通り」と駅南の「上本通り・アーケード名店街」をほぼ直線に結ぶ。これまではガード南側の交差点がクランク状で渋滞原因になっていたため、ガードの道路を付け替えて、ほぼ十字路になった交差点に改良。新設道路は長さ110b、幅14b。両側に幅2bの歩道がつき、歩行者は南側階段を使って、JR沼津駅に行くことができる。車両は道路勾配が緩やかになって、交差点が通過しやすくなる。また道路が長くなった分、信号待ちできる車の台数が増える。

愛称は『あまねガード』

県が募集していた新中央ガードの愛称は、「あまねガード」に決まった。長泉町竹原の岩崎敦史さんの応募作品で、明治の思想家西周(にし『あまね)氏の屋敷が中央ガード付近にあったこと、また「あまねく」皆さんに利用してほしいとの願いから命名。市民にとっては利用とともに定着させたい愛称だ。

(※西周=明治の思想家。ヨーロッパの思想を多く日本に紹介。科学・技術・芸術・理性・観念など、それまで日本になかった学術用語の訳語を発明した。)