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 「くみあい百景」 
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 〒410-0845
 沼津市千本港町1901-18 
理事長:水口 衛
組合員:178名
出資金:106,280千円
TEL:055-951-1617
FAX:055-952-3676


協同組合
沼津水産開発センター


魚腸・水産系残滓の
共同処理とリサイクル





▲処理場とは思えない周辺の自然と
 調和したガラス張りの建物

大量の水産系廃棄物が発生

 沼津港には駿河湾、伊豆近海、伊豆諸島及び小笠原諸島水域等で漁獲された鮮魚が、毎年二万四千トンから四万八千トン程度水揚げされる。
 これら鮮魚に混じって鮫、エイ、チビキ、アミモンガラカワハギ、ボラなど巻網船によって水揚げされた不可食魚や、漁獲時や水揚作業時に破損し商品化できない魚も発生し、その数量は年間五百トン以上に達する。
 加えて沼津は古くから水産物の流通加工拠点として発展し、アジの干物とサバ節の生産量は日本一を誇っていることから、干物加工に伴って発生する魚腸や、魚介類の流通過程で発生する不可食部分など処理しなければならない残滓も年間一万三千トンを超える。





▲制御室(監視盤)


▲プラント(濃縮装置)

共同処理を行う組合を設立

 こうした廃棄物の処理は、民間業者が魚粉を生産することで実施していたが、昭和六十年代に入ると、国内のイワシ不漁等で、魚粉はペルーやチリからの輸入割合が大きくなり、国内価格が安定しない状況にあった。
 そのため業者から処理料の値上げを求められ、応じなければ集荷してもらえない懸念もあって対策を図る必要が出ていた。
 そこで昭和六十三年、沼津魚市場(株)、沼津魚仲買商(協)、静浦ひもの(協)、沼津魚小売商買受人(協)および沼津我入道漁業(協)が中心となり協議会を発足。平成元年、廃棄物の共同処理を行う組合を設立。平成二年には、沼津魚市場(株)と沼津我入道漁業(協)の所有地一、六〇三 を借受け、高度化資金の共同公害防止事業融資を活用して処理工場を建設した。
 建設にあたっては、処理場は汚いものというイメージを払拭するため、建物の港に面した壁をガラス張りにし、外壁の色も明るく、周辺の美しい自然との調和に配慮している。



中小企業静岡(2004年8月号 No.609)