〜最もポピュラーな高度化事業〜

 共同施設事業は、中小企業者が組合を設立し、共同で利用する施設を設置する事業です。
 例えば、中小製造業者が生産性の向上を図るために大型新鋭機を設置しようとしたり技術革新に対応するために先端技術設備を設置する場合があげられます。
 また、商店街がアーケードや共同駐車場を設置するなど、単独で取得するのは困難であるが、共同で取得し稼働させれば合理的であり、かつ、効果があがることから高度化事業のなかでも最もポピュラーな事業となっています。
 商店街が行う場合には商店街共同施設事業が利用できます。


     共同施設事業の内容は多様であり、そのねらいもさまざまですが、大まかにいうと、次のような効果が考えられます。

  • 生産加工に関する共同事業
     個々の中小企業では導入が困難な大型設備・新型設備を投入することにより、コスト低減、ロット拡大などスケールメリットの実現が可能となります。
  • 販売、保管、運送に関する共同事業
     事業の効率的な運営により、組合員企業の経費節減ができます。
  • 研究開発等に関する共同事業
     個々の中小企業者が設置、運営することが困難な新商品開発センター、研修センターなどを作ることができ、経済環境の変化に対応しうる基盤を整備することができます。
  • 教育・情報提供、労働環境改善に関する共同事業
     少人数の企業では維持・管理が難しい施設を作ることができ、従業員の確保、定着対策としての効果が期待できます。
  • 商店街の環境設備に関する共同事業
     アーケード、カラー舗装、駐車場、公園等の施設は、顧客に便利さを提供し、顧客吸引力も増すことができます。


     参加企業数・業種構成・事業内容については、他の高度化事業のような特別の要件は定められていません。それぞれの組合の根拠法令に定められている組合事業が一般的に助成対象となります。組合法では、各組合が行える共同事業は次の通りです。

  • 事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会
     生産、加工、販売、購買、保管、運送、検査その他の共同施設事業および教育・情報 提供事業
  • 商工組合、商工組合連合会
     集団化事業と同様です。
  • 企業組合、協業組合
     組合員または組合員になろうとする者が営む事業の部類に属する事業を共同で経営するための事業
  • 商店街振興組合、商店街振興組合連合会
     販売、購買、保管、運送、検査その他の共同施設事業および教育・情報提供事業、並びに街路灯、アーケード、カラー舗装、駐車場、物品預かり所、買い物公園、休憩所等組合員および公衆の利便を図るための施設
  • 環境衛生同業組合、環境衛生同業小組合、環境衛生同業組合連合会
     組合員または所属員の事業に関する共同施設事業

     なお、事業によっては、共同金融事業のように必ずしも物的施設のいらないものがありますが、高度化資金は設備資金を対象としているので、物的施設を設けるときに高度化事業として助成の対象としています。


    次のものは、原則として貸付けの対象になりません。

  • 組合員に対し公平な利用機会が提供されるものでなく、また一部少数の組合員のみの利益を図るもの。ただし、組合員の事業が有機的に連携している異業種組合において、実施する共同施設事業が一部の組合員についてのみ利用される場合においても、その効果が組合員事業の協同を通じて他の組合員にも及ぶことが明らかである場合には、貸付けの対象となります。
  • アーケード、カラー舗装、街路灯などの環境整備に関する共同施設については、参加する組合員が20人未満のもの
  • 分散設置される共同施設
     ただし、次の要件のいずれにも該当する場合には、貸付けの対象とすることができます。
    1. 施設の利用目的、既存施設の利用状況および組合員の地理的条件から判断して分散設置によることが合理的かつ妥当であると認められるもの。
    2. 分散設置された各施設を原則として4人以上の組合員が利用するもの。また、組合で集中処理するために設置する中核施設およびその端末設備であって、有線または無線により接続されるものについては、そのシステムを一体として運転することが合理的と認められる場合には、貸付けの対象とすることができます。
  • 過去3年以内に高度化資金の貸付けを受けて取得した設備と同種の設備の更新であるもの
  • 法定耐用年数が5年未満の施設、また安全性・耐久性が十分でない建物等


     最近の中小企業者の人手不足に対応するために、高度化制度においても、労働環境改善施設・福利厚生施設の円滑な設置を推進することとしていますが、その取扱いは次の通りです。
     人材・労働力確保等労務対策に必要と認められる体育施設、研修施設、教養文化施設等労働環境の改善に資する共同施設、また、従業員共同宿舎(下記の条件を満たすものに限る)については貸付対象とすることができます。

  1. 従業員の用に供するもの
  2. 利用規約等を整備し、適切に運営管理されるもの
  3. 組合員および従業員に対して分譲を予定するものでないこと
  4. 原則として一棟の集合住宅であることなど
    ただし、地域住民の生活環境を著しく阻害すると認められる施設は貸付対象になりません。

貸付けの相手方 組合
貸付割合 対象施設の設置資金の65%以内
償還期限(据置期間を含む) 15年以内
据置期間 2年以内
金利(年利) 2.7%
  上記の貸付割合、利率等が優遇される場合があります。


     貸付対象となる事業が幅広いことから、多岐にわたる高度化事業の中でももっとも多く利用されています。平成5年度までに実施された共同施設事業は全国で11,080件で、助成額は5.292億円。助成件数で見ると全体の約8割を占めています。


 
 商店街が行うアーケードや街路灯などの共同施設の設置について、「中小小売商業振興法」の認定を受けて行う場合には、一般の共同施設事業よりも貸付条件の有利な「商店街共同施設事業」が利用できます。

     計画の主体となるのは、事業協同組合、事業協同小組合、協同組合連合会、商店街振興組合または商店街振興組合連合会です。

  • 参加企業数
     組合員の数が20人以上であって、その2/3以上が中小小売商業者または中小サービス業者であることが必要です。なお、設置する共同施設が会議場施設、広場または駐車場であるときは、組合員の数は5人以上となっています。


  • 組合員のうち中小小売商業者の数が中小サービス業者の数以上で、かつ、小売業者の数がサービス業者の数以上であること。
  • 組合員の大部分(2/3以上)が商店街の区域に店舗を有していること。
  • 計画の認定後、1年以内に着工し、かつ、着工後2年以内に完工する見込みがあること。

    ほか


     街路灯、アーケード、駐車場、物品預かり所、休憩所、カラー舗装、公園緑地、公衆便所、コミュニティホール、イベント広場、消融雪設備等の共同施設。


貸付けの相手方 商店街の組合
貸付割合 対象施設の設置資金の80%以内
償還期限(据置期間を含む) 20年以内
据置期間 5年以内
金利(年利) 無利子


[【1】集団化事業(工業・商業)] [【2】共同施設事業(工業・商業)]
[【3】工場共同化事業(工業)] [【4】設備リース事業(工業・商業)]
[【5】小売商業等商店街近代化事業(商業)] [【6】小売商業等店舗等共同化事業(商業)]



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