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三嶋暦師の館


名称  :三嶋暦師の館

所在地 :三島市大宮町

建物概要:木造平屋建 
     166.16u(改修)

竣工  : 平成16年3月

「三嶋暦師の館」は三嶋暦を代々発行してきた河合家の旧宅を三島市が寄贈を受けたのを機会に、三嶋暦と三島茶碗を中心に展示する「小さな博物館」として改修、整備したものです。三嶋暦は刷り暦(印刷暦)としては日本で最も歴史が古いといわれており、三島の誇る文化遺産です。

河合家の伝承では宝亀年間(西暦770〜780年)に祖先が山城国賀茂より三嶋明神を勧請して豆州三島に下りその子孫が代々発行してきたと伝えられます。古書によれば屋敷の一角に天文台があり、天象観測を行なったとあります。現在の建物は安政の大地震(1854)で母屋が倒壊した後に韮山代官の江川太郎左衛門の斡旋により十里木(裾野市)の旧関所を移築したもので、格式のある佇まいを残しています。

周辺一帯は古くは「社家村」と呼ばれ、三嶋大社の神事をする神主や営繕を担当する宮大工等、代々大社関係の務めを持つ家が集まっていたエリアで、河合家を含め大社とは縁の深い土地柄です。金谷小路はその一角にあり、江戸時代より三島八小路の一つに数えられて来た事もあり、三嶋大社からの館へ至る散策路として併せて整備されました。

【整備の方針】

建物については明治時代始めに記録された大社文書に残る平面図及び昭和5年(1930)の北伊豆地震後の損傷部修復と同時に行なわれた改造内容を基準とし、オリジナルのまま残ると思われる箇所は可能な限り温存し、後年増築された部分は撤去。外観については、一部板壁をシックイ壁に改修等建築基準法上の最低限の改修。内部は玄関から西側の上段の間周辺はオリジナルな姿を活かし補修のみ、南側の展示室は既存の戸棚を展示ケースに活かす等、必要最小限の改造を施しました。又伝統工法を踏まえた耐震診断及び耐震補強を同時に行なっています。

【施設の運営】

施設の整備と並行して開催された三嶋暦の勉強会の受講者を中心にボランティア組織:「三嶋暦の会」が結成され、来館者へのガイダンス、催事などの企画・運営等が行われています。

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