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IT革命・資金戦略・創業環境
中小企業白書のポイント
―2000年版―
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2000年版中小企業白書は、昭和38年以来初めて抜本的に改正された
新しい中小企業基本法のもとで作成された最初の白書。
中小企業を「我が国経済の活力の源泉」と位置づけ、
新たな政策理念として「中小企業の多様で活力ある成長発展」を掲げている。
「IT革命・資金戦略・創業環境」と、そのテーマからも明確なように、
以下の3点を中心に展開している。
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情報技術革新と中小企業
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■IT革命への対応
コンピュータの高性能化・低価格化や通信回線の高速・大容量化といった情報技術革新「IT革命」は、中小企業にもコンピュータ・ネットワーク活用の機会を提供するとともに、その競争環境を大きく変化させている。
情報技術革新は(1)新たな経営への挑戦を後押しする道具、新たなビジネスチャンスをつかむ道具を提供する等のプラス面と、(2)従来とは性格の異なる新たな競争に直面する可能性をもたらす等のマイナス面、の両面で大きなインパクトをもたらしており、中小企業に対しても今後もその影響は強まる。
ただし、情報システム関連投資は、単に資金を投入すれば良いというものではない。情報関連投資を目的を明確にしないままに行なう場合には、経営成果にはマイナスとなる。
情報技術の活用も費用対効果を考えながら戦略的に行なうべきものであり、情報システム関連投資を特別視するのではなく、(1)業務の改善・再構築といった経営の合理化のための情報技術の導入、(2)新たなビジネスに挑戦するなど経営革新のための情報技術の活用など、あくまでも道具・手段として、他の設備投資と同様に是々非々の考え方で投資の意思決定をしていく必要がある。
これまで情報システム関連投資を行なってきた企業の七割以上が現在、使用中のシステムに対して何らかの不満を持っているという事実を重く受け止めるべきである。当初、導入した情報システムが自社業務に完全に合致することはまれで、業務再構築を進める一方で、それぞれが自社にとって最適なものに変えていくという視点が欠かせない。
そのため、情報関連投資を活かしていくには、導入目的を明確にするだけではなく、どのような体制で業務変革を推進していくかについても事前に十分、考えなければならない。
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■必要な多面的情報
情報技術の導入にあたっては、情報技術そのものが目まぐるしく変化することから、メーカー技術者の得意な分野によって情報関連投資への提案内容が全く異なるなど、中小企業にとっては、どの提案を選べば良いのか、判断が難しい面が出てくる。
投資の決断にあたっては、(1)機器メーカーからの販売員からの情報のみならず、(2)独立系のソフト会社、中小企業の情報技術に詳しいコンサルタントなど中立的な第三者の意見、(3)同業者や仲間等で実際に使っている人の経験談・評価など、多面的に情報を収集することにより、機能が十分でなかったり、必要以上に値段が高い機器やソフトを購入しないように心がける必要がある。
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