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特 集



商店街から生活拠点街に

 やや、中心市街地活性化関連に誌面を割き過ぎた感があったが、イコールではないものの中心市街地の重要な構成要素のなかに商業機能があることは疑いない。
 中心市街地は地域住民の居住地であり、生活インフラであり、産業にとってはゆりかごである集客資源。こうした点を踏まえて、周辺を含む商店街をどのように再生し、活性化を図っていくかという問題は、非常に個別性の強いテーマである。他事例を形だけなぞっても、自分の地
域で同じ効果が再現されるとは限らない。答えは一様ではない。
 ここでは、各地で実施・試行されているケースを羅列するにとどめた。その現場を見るにあたり、その一手法だけでは活性化への充分な力は持ち得ないものの、これらを組み合わせていくなかで、無数の試行錯誤のなかで、必ずや新たな潮流が生まれてくることを実感させられる。
 そして、共通して言えることは、地域住民全体の質の向上という視点に立つことの重要性。多様な市民活動と商業活動が重なり合いながら、活き活きとした空間が形成されるということである。
 もちろん、その前提として、個店にも魅力がなければならないことは言うまでもない。商店街に属する個店が本当に意欲をもって自己改革を行い、環境変化に対応する。また、それができることが最低限の条件となる。
 商店街は個店の集合である。
商店街活性化への道は、一面ではそれを認識することから始まるのかもしれない。

―各地商店街での取組例―

(1)城下町、門前町、港町など地方都市が持つ独自の歴史、文化、景観などの資源と他の要素の複合による街づくり
(2)高齢化社会の到来などをヒントにした「立・ライフスタイル産業」としての街づくり
(3)障害者、高齢者などの生活弱者への配慮、お祭りなどの伝統文化の継承といった活動を通じての地域への貢献…商店街ぐるみの共同宅配、老人・主婦向けの巡回バスの導入、地域通貨
(4)NPO、地域住民団体、大学、行政などとのネットワーク
(5)ITを積極的に活用した事業活動…多機能ICカード、バーチャル商店街、FAXネットワークシステムなど
(6)チャレンジショップ、創業塾など新規出店者の育成
(7)公共機関、駐車場等交通アクセスの整備、バリアフリー化、待機児童向け保育サービス施設等の設置
(8)個店の競争力強化対策への取組み・運営指導  他


中小企業静岡(2002年 8月号 No.585)