3 ソフトウェアに関する税務処理
ソフトウェアの資産区分・耐用年数については、平成十二年に改正されています。
改正前の税法上の処理は、購入したり、他に委託して取得した場合税務上の「繰延資産」として計上し、それを五年で償却することになっていました。また、自社で開発した場合は、会計的には資産性のないものとして保守主義の原則から、すべてを期間費用として処理することになっていました。
しかし、平成十二年四月より、ソフトウェアはすべて「減価償却資産」(無形固定資産)とされ、その目的に応じて耐用年数は次のようになっています。
(1)複写して販売するための原本となるソフトウェア…三年
(2)研究開発用…三年
(3)自社利用など、(1)、(1)以外のもの…五年
4 資産区分変更による影響は?
無形固定資産でも、繰延資産でも、購入したソフトウェアについては償却期間五年、残存価額ゼロの定額法の償却となりますので、費用配分の面では、一見影響はないようにも思えますが、その事業年度に「消耗品費」等で一時に損金として処理できる少額基準が異なってきます。
改正前までは、ソフトウェアが「繰延資産」でしたから、取得価額が二〇万円未満であれば一時に損金にできましたが、「無形固定資産」となっている現在は、一〇万円未満でなければ一時の損金として処理できません。二〇万円未満のソフトウェアについては、一括償却資産として、三年間で均等償却するか、原則どおり償却することになります。
なお、パソコン二〇台で一〇〇万円というようにライセンス契約により使用許諾権をまとめて購入するケースがあります。
この場合、ソフトウェアが減価償却資産になったことで「通常使用する単位」ごとに、つまりパソコン台数で割ったものが取得価額となります。前述の例では、一〇〇万円÷二〇台=五万円となり、一時に損金として処理できることになります。
5 LAN設備の償却
LAN設備については、平成十二年十一月二〇日に通達(平12課法2‐19)が出されるまでは、サーバーから端末機(パソコン)、プリンター、ケーブル等、一切を含めて、「電子計算機」の耐用年数「六年」を利用して、償却費を計算するのが一般的でした。
しかし、この通達によればLAN設備は、原則として個々の減価償却資産ごとに償却費の計算を行うとされました。
ただし、同時に一括して取得し更新されるLAN設備については、従来どおり、全体を減価償却資産として、六年の耐用年数で償却することも認めるとしています。
*以上は、基本的な事項の説明となりますが、こうした点を踏まえながら、個々のケースごとにチェックを進め、また、引き続き注目していただければと思います。
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