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特 集



全国のTMOの代表的な事例(表VII)

TMO(所在地)
認定日
主な内容(問合わせ先)
(株)街づくりまんぼう
(宮城県石巻市)
平成13年2月

石巻市 石ノ森萬画館


「浪漫商都ルネッサンス=マンガ的発想が人を呼ぶ街づくり」がテーマ。
石巻を第2の故郷とする漫画家石ノ森章太郎氏の協力のもと、漫画を活かした夢のある地域づくりを推進。石ノ森作品の主要キャラクターのモニュメントを配置した石巻マンガロードの整備及びこれを活用したイベントの開催などを実施。石ノ森萬画館を平成13年7月にオープン。
TEL 0225‐23‐2109
(株)飯田まちづくり
カンパニー

(長野県飯田市)
平成11年8月
市民有志が主体となったTMOが市街地の再開発事業を実施。定住人口の増加が課題。
・定住人口増加を目指して、橋南第1地区市街地再開発事業を実施。
・江戸時代に建てられた3棟続きの土蔵「三連蔵」を地域交流施設として運営管理。
TEL 0265‐21‐1212
(株)金沢商業
活性化センター

(石川県金沢市)
平成11年4月
ストリートパフォーマーを活用した地域の魅力づくりを展開。
・中心市街地の数カ所にポケットパークを整備。洋楽、邦楽、ダンス、伝統・地域芸能、手品など一定の技術を有したパフォーマーにパスポートを発行。
TEL 076‐224‐8112
まちづくり長浜
−長浜商工会議所−

(滋賀県長浜市)
平成11年11月
長浜市(人口6万人)は第3セクターの(株)黒壁に代表されるように民間活力で観光機能強化に大きな成果をあげてきたが、その一方で、人口の郊外への流出や高齢化が深刻化していたもの。まちづくりに一貫性を持たせ、市街地の複合機能を狙っている。
・ゆう一番街商店街地区店舗外装整備
・高齢者向け優良賃貸住宅の建設
・市民も出資する「第4セクター」の提案
TEL 0749‐62‐2500
(株)ぶらくり
(和歌山県和歌山市)
平成12年3月
全国的にハード整備が中心となるなかで、ソフト事業を主に展開。
・撤退した大丸百貨店跡地を利用し「楽市楽座」事業を実施。
・イベントほか市民ネットワークから新たなコミュニティーの構築を目指す。
TEL 073‐435‐0560

全国のまちづくりへの展開

 中心市街地活性化法への取組みについては、全国では五〇五地域で五二二の計画が策定され、二二〇団体がTMOとして認定されている。具体的TMO計画として国に認定されたのは七一に過ぎない(平成十四年五月末現在、うち静岡県内は二例)。
 その代表的な事例については一部を表VIIに掲載した。これらは先進事例として、よく紹介されるものだが、その数は限定されているようにも思える。
 全体的に見れば、計画は作成したものの、実際には事業化に至っていない事例が多い。また自治体には、まちなかの活性化のために、第三セクターを新たに設置したり、あるいは強化したりする財政力はない。第三セクターとして立ちあげた会社が破綻する、あるいは破綻寸前となる事例も出ている。また、商工会議所等がまちづくり会社となって、商店街の再開発や振興を行うことができるかといえば、人的にも資金的にも余裕がないケースが多い。
 成功事例とされているものは一部に限定されており、構造的に進むまちなかの崩壊を食い止める一般解とはなっていないのが実情のようだ。


中小企業静岡(2002年 8月号 No.585)