「食料産業クラスター」とは、地域の食材、人材、技術等の資源を有効に結びつけ、新たな製品、新たな販路、新たな地域ブランド等を創出することを目的とした集団。
この「食料産業クラスターの形成」を推進することにより、地域の食品産業と農林水産業との連携の促進、ひいては我が国の食料自給率の向上と食料の安定供給を図ることが期待されている。
産業クラスターの「クラスター」とは、「(ブドウなどの)房」、「(魚などの)群れ」を意味する英語で、産業クラスターとは、関連する産業及び事業がお互いに結びつくことによって、新たな相乗効果を生み出す産業・事業群の総称。
ハーバード大学教授のMichael E. Porterが「国の競争優位」(1990年)や「競争戦略論」(1999年翻訳)で提唱した概念で、国や地域の競争力のある産業はクラスターを有しているという経験的事実が述べられている。
地域の枠組み連携による技術開発の実施、商品化、販売戦略の策定等に取り組むことにより、シナジー効果(経営の相乗効果。複数の要素が作用したとき、個々に得られる以上の効果をもたらすこと。)や効率的で迅速な経営課題解決、製品開発を図ることができ、その結果として地域における「生産性の向上」、「新規事業の創出」、「イノベーションの創出」などの効果が期待される。
食料産業クラスターを推進する地域拠点として、「食料産業クラスター協議会」を、各都道府県単位に設置している。静岡県においては、平成18年10月に同協議会が設立されており、地域の食品産業と農水産業との連携活動への取組み(クラスターの形成)を促進している。食料産業クラスター協議会の主な役割は、以下のとおりである。
●クラスター形成のための出会いの場の設定
生産者、製造業者、販売業者、大学、試験研究機関等が一同に会する場を設け、異業種交流連携による物づくり・ブランドづくりを支援
●物づくりの事業化、地域ブランドの育成
物づくりの事業を発展させ産業化を図る、また、地域ブランドの育成を支援する。