●2018年組合トップセミナー・新春賀詞交歓会●
「感動の赤字再生術~地域を変えた公募社長の挑戦~」
いすみ鉄道株式会社 鳥塚 亮 氏が講演
中央会主催による2018年組合トップセミナー・新春賀詞交歓会が1月10日、静岡市駿河区のホテルセンチュリー静岡で開催された。会員組合や行政、関係機関など、およそ300人が出席した。
セミナーではいすみ鉄道株式会社代表取締役の鳥塚亮氏が、公募社長として地域住民と一体となってローカル鉄道の再建を図り、廃線の危機を乗り越えた経緯についてユーモアを交えながら語った。
また、続いて行われた新春賀詞交歓会では、難波喬司県副知事をはじめとした来賓や組合代表者が一堂に会し、新たな飛躍を誓い合った。
諏訪部敏之会長は、「昨年は年間を通じて景気回復基調となった1年であったが、我々中小企業を取り巻く経営環境は依然として厳しい状況が続いている。そうした中で発足した第4次安倍内閣では中小・小規模企業に対する設備や人材への投資を後押しすべく、大胆な税制、予算、規制改革を断行することが表明され、既にいくつかの施策が発表されている。我々中央会も唯一の組合支援機関として、会員の皆様への支援事業を強力に推進すると共に、皆様のニーズにお応えする新たな事業に積極的に取り組んでいく。」と挨拶した。
セミナーでは、いすみ鉄道株式会社代表取締役の鳥塚亮氏が、経営再建のための戦略やノウハウ、さらには地方再生のために地域企業が成すべき役割について語った。
鳥塚氏は、「公募社長として経営再建に取り組むにあたり、今までと同じことをやっていては赤字を脱却することはできない。経営再建のためには新しいことに挑戦していかなければならないという信念を持った。この信念の下、ムーミン列車や旧式のディーゼルカーの導入などローカル路線の観光列車化を行い、話題を集めることに成功した」と語った。
そのうえで、「地元の方々は昔から駅舎や列車の清掃などで協力してくださっている。近年では地元の学生が結集して『いすみ鉄道対策委員会』を立ち上げてくれた。そういった人々のために、協力していすみ鉄道を盛り上げていきたい」と語った。
鳥塚氏は最後に、「『ここには”何もない”があります』のポスターのように、地域活性化のカギとなる原石はあちこちに転がっている。しかしほとんどの人はその原石の磨き方が分からないでいる。今回の講演会がその磨き方を見つけ出す一助になれば」と語った。講演会は終始和やかな雰囲気で行われ、参加者は熱心に耳を傾けていた。
続いて行われた新春賀詞交歓会において諏訪部敏之会長より年頭挨拶の後、難波県副知事、山田県議会副議長、自民党県連 城内副会長、公明党県本部 大口代表、民進党県連 鈴木委員長より祝辞を頂いた後、鏡開きを実施。山内副会長の乾杯発声により、賀詞交歓会がスタートした。
賀詞交換会では、書道家の岩科蓮花氏による書道パフォーマンスが行われた。掛け軸に「寿」の字を揮毫し、最後の一画を諏訪部会長が記して文字が完成すると、会場が沸き立ち、終始華やかな雰囲気に包まれた。